どーも!
すぐに心が折れてしまう根性無しバーチャルブロガーのキサカ・ヒメノです。
さて、今回は2019年9月3日に放送された映画『エネミー・ライン』のレビューでございます。
この映画は以前にも観たことがあり、もちろんストーリーも結末も知っていたわけですが、それでも面白いと思える映画でした。
むしろ知っているからこそ、「もう1度あのシーンが観たい!」「ラストシーンのあの感動をもう1度味わいたい!」と思える映画です。
映画『エネミー・ライン』のザックリした概要
旧ユーゴスラビアの紛争地域が舞台です。
非武装であるはずの地域を偵察飛行していたアメリカ海軍の戦闘機が対空ミサイルに撃墜されてしまいます。
戦闘機のパイロット・クリス大尉とその相棒・スタックハウス大尉は、ミサイルが着弾する寸前に戦闘機から緊急脱出に成功――
しかし、パラシュートで降り立った地は敵の支配下です。
しかも、スタックハウス大尉は足を怪我してしまい、その場で動けずにいるところを敵に見つかり…
敵地からの脱出を懸けたクリス大尉の孤独で過酷な闘いが始まります。
映画『エネミー・ライン』の主な登場人物
クリス・バーネット大尉
アメリカ海軍所属のパイロット。
停戦が合意されてからは退屈な訓練と偵察任務ばかり――という現状に嫌気が差し、司令官であるレイガート提督とも対立して、除隊する意思を固めていた。
撃墜される直前にパラシュートで戦闘機からの脱出に成功し、味方と連絡を取るために高い丘の上を目指していた最中に敵の大群が押し寄せてくることに気付き…
幾度となく敵に追い詰められながらも臨機応変な策をもって敵の追撃をかわしていきます。
スタックハウス大尉
クリス大尉の相棒。
撃破される直前に戦闘機から脱出することに成功するものの、足を怪我して身動きが取れなくなってしまう。
敵に囲まれた彼がどうなってしまうのか完全にネタバレしてしまおうか迷いましたが、すごく緊迫した場面であり、この映画の見どころのひとつでもあると思うので、一応ボカしておこうかと思います。
レイガート司令官
クリス大尉、スタックハウス大尉が所属する海軍部隊の司令官。
第一印象はガンコオヤジそのものですが、本当はとても部下想いで熱い人物。
敵の包囲網の中で孤軍奮闘するクリス大尉のため、ときには感情的になって叱咤激励し、自分の地位を捨てる覚悟で救出作戦を決行する。

渋いイケおじだぜ~
サシャ
セルビア武装組織に雇われた傭兵。
クリス大尉を始末するために執拗に追い回す冷徹な追跡者。
映画『エネミー・ライン』の見どころと感想
追尾ミサイルをかわせ!迫力のスカイアクション
すでに述べたように戦闘機での偵察任務中に対空ミサイルによって撃墜されてしまうシーンです。
とネタバレしてしまうと、「なんだ、どうせ撃墜されるの分かってるんじゃ面白くねーよ。」と思われるかもしれませんね。
しかし、ミサイル発射後にすぐ撃墜されるわけではありません。
発射されたミサイルをレーダーで感知した戦闘機内のふたりは、追尾してくるミサイルを回避するために旋回飛行をしたり、閃光弾を囮に使ったり、あの手この手でミサイルを回避しようと試みます。
「もしかして、うまくいけばミサイルを回避できるんじゃ…?いや、回避してくれー!」
と、まばたき厳禁な手に汗握るシーンです。
敵に包囲されたスタックハウス大尉の運命は…
このシーンについても前述していますが、脚を怪我して身動きが取れなくなったスタックハウス大尉は、セルビア武装勢力の兵に囲まれてしまいます。
迫り来るセルビア勢力から逃げることもできないまま黙って待ち受けるスタックハウス大尉――
そして、その成り行きを離れた位置から見守ることしかできないクリス大尉――
セルビア勢力はスタックハウス大尉から銃を取り上げて尋問した後、引き揚げの号令をかけますが…
大尉にどんな運命が待ち受けているのかなんとなく想像がついてしまっている方も多いかと思いますが、そうだとしてもハラハラドキドキしてしまうことは間違いないシーンです。
映画『エネミー・ライン』のクライマックスはゲキアツ!
ここはネタバレを避けるべきだと思うので詳細は書きません。
が、せっかくなので少しだけ…
レイガート司令官は政治的な問題や上官の命令を無視し、すべての責任を一身に背負って、ついに自ら救出部隊を率いて艦船から出撃します。
まさに「ヒーローは遅れてやってくる」的な胸熱シーンです。
「これでやっと…」というシーンですが、クリス大尉は紛争で苦しむ人のため、最後の最後に命懸けのある英雄的行動を取ります。
レイガート司令官は理想的な上司か否か?
すでに前述しましたが、映画冒頭では反抗的なクリス大尉に対してレイガート司令官は厳しい態度で接します。
ふたりはまさに犬猿の仲といった雰囲気です。
でも、レイガート司令官の厳しさは軍人でもあり司令官という責任ある立場だから当然のことだし、なによりクリス大尉のことを想ってこそなんですな。
そして、クリス機撃墜の報告を受けてからのレイガート司令官はクリス大尉の身を案じ、なんとしてでも大尉を救出しようと感情的になったり、法を犯したり、上官の命令に背いたりしていきます。
私のような凡人には想像できないくらい軍の訓練って厳しいだろうし、ときには命懸けの任務に従事しなければならないこともあるでしょう。
それでもレイガート司令官の言動を見ていると、日本のブラック企業での労働環境の異常さのほうが際立って見えてしまいます。

自己の保身や政治的問題よりも部下の命を最優先させるその姿勢は、昨今の政治家や経営者たちにはぜひとも見習ってほしいですな
無能で自己中心的な上司に精神をヤラれている方は、この映画を観ると転職したくなるかもしれません。
ブラック企業に殺されるなんて愚の骨頂です。
観る人によっては理想の上司と労働環境がある職場を探すきっかけになる映画かもしれません。
諦めなかった者にだけ待っている結果がある!
絶体絶命の危機を臨機応変な策によって何度も脱するクリス大尉ではありますが、心身ともに満身創痍となっていきます。
何度も心を折られます。
政治的な問題や錯綜する情報によって救出作戦が中止されてしまう事態にもなってしまいます。
同じ艦隊に所属している仲間たちですらクリス大尉が死んでしまったと落胆してしまうこともあります。
しかし、クリス大尉は自分を奮い立たせ、最後まで諦めません。
ネタバレを避けるために具体的には書きませんが、なかでも敵兵のあいだを颯爽と抜けていくシーンはマジでカッコよかったです。
そして、最後には英雄的な活躍をします。
困難な道を切り拓くためには、臨機応変に知恵を搾り出さなければならないし、根性論だけでもダメだし、他力本願でも成功は掴めないことを教えてくれる映画でした。
もちろん戦場を舞台としていますので、戦争がいかに悲惨かということも再認識させられます。


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