どーも!
セーラー戦士の中ではセーラーマーズが1番好きだったバーチャルブロガー、キサカ・ヒメノです。
さて、今回は2020年6月2日にテレビ東京の午後のロードショーで放送された映画『マーキュリー・ライジング』のレビューでございます。
過去にもテレビで放送されるたびに何度も観てきた映画ですが、何回観ても面白いです。
常に私の好きな映画ベスト10にランクインしています。

権力に媚びることなく、正義を貫くブルース・ウィルスの活躍に刮目せよ!
映画『マーキュリー・ライジング』のザックリした概要
アメリカ国家安全保障局(NSA)が多額の費用をかけて開発した暗号「マーキュリー」。
それは絶対に解読不可能なはずの暗号であったが、自閉症の9歳の少年・サイモンによって解読されてしまう。
マーキュリー開発責任者のクドロー中佐は、この不測の事態を秘密裏に収めようとサイモン暗殺を企てる。
しかし、そんなことはブルース・ウィルス演じる刑事アートが許さないぜ!
果たして、刑事アートはクドロー中佐の陰謀を暴き、少年サイモンを守ることができるのか!?
映画『マーキュリー・ライジング』の主な登場人物
アート・ジェフリーズ(ブルース・ウィルス)
FBIの潜入捜査官。
銀行強盗一味に潜入し、警察に投降するよう強盗団のリーダーの説得を試みている最中、警察に強行突入されてしまう。
警察の強行作戦による銃撃戦で強盗団の息子である少年まで射殺され、作戦を指揮していた上司にブチ切れ―
その結果、閑職に追い込まれてしまう。
後日、派遣されたある夫婦の無理心中事件の現場で、行方不明になっていた少年サイモンを発見。
事件に違和感を覚えたアートはサイモンを保護し、事件の真相に迫っていく。

ぶっきらぼうだけど少年を守るために命を懸けるイケオジだぜ!
サイモン・リンチ
自閉症の9歳の少年。
無理心中事件に見せかけて殺害された夫婦の息子。
パズル雑誌に投稿されていた誰にも解けないはずの暗号を解いてしまったことで命を狙われる。
トミー
アートの同僚の刑事。
独断で動くアートに振り回されながらも、アートに協力し、事件の真相に気付いていく。
ハートリー
アートとトミーの上司。
ことなかれ主義でクドロー中佐に言いくるめられてしまう。

そんな彼が最後に下す決断が映画のクライマックスなのだ。
ステイシー
たまたま立ち寄っていたカフェで事件に巻き込まれてしまう女性。
自分勝手なアートの頼みに辟易しつつも、サイモンのためにひと肌脱ぐ優しいお姉さん。
クドロー中佐
国家安全保障局の中佐。
暗号「マーキュリー」の開発責任者。
富と権力に溺れるイヤなやつ。
ピーター
サイモンの命を狙うクドロー配下の暗殺者。
サイモンの両親の仇でもある。
レオ & ディーン
クドローの部下だが、善良なコンビ。
マーキュリーが解読されたことを口外しないようにとクドローから脅されるが…
映画『マーキュリー・ライジング』の見どころと感想
組織ぐるみの陰謀を暴け!
無理心中事件として警察がカタをつけようとするなか、アートだけは違和感を覚えてサイモンに対して徹底的な保護の必要性を感じ取ります。
しかし、仲間であるはずの警察からも目を付けられてしまったアートは孤立してしまい、行くあても事件解決の糸口も見えないまま、単独でサイモンを守らなければならなくなってしまいます。
そんな状況に陥ってしまうアートですが、少しずつ善良な協力者の力を得ることで事件の真相に迫っていきます。
たったひとりでは強大な組織と権力に立ち向かうことは難しくても、ほんの数人の親切心や信念や勇気ある行動が世の中を正しい方向へと導いていく―
そんな希望を持つことができる映画です。
悪いヤツにまずは一泡ふかせてやれ!スカッとするぜ!
私が好きなシーンのひとつを紹介します。
物語もクライマックスに近づき、事件の真相を掴んだアートは単身でクドロー中佐の屋敷に乗り込みます。
クドローの屋敷はパーティの真っ最中。
小汚い恰好のアートは地下のワインセラーに通されます。

善良な市民の命を奪い、さらに9歳の子供の命まで奪おうとしている極悪人が呑気に気取ったパーティなんて、ムカつくぜ!
アートは事件の証拠を見せつけたうえで、クドローに真相を世間に公表するよう迫りながら、クドローのワインコレクションを1本…また1本と開けていきます。
「おい!そのワインがいくらするのか知っているのか!?」
とはクドローの言葉。
それを聞いて怒りが頂点に達したアートはクドローを蹴り飛ばし、高そうなワインが何本も収められた棚に手をかけてガッシャーン!
非常に胸がすく思いのスカッとするシーンです。
普段から権力者に虐げられている人だったら一度は真似したくなること間違いなしですな。
このシーンのあと、映画はクライマックスへと向かっていきますが、クライマックスシーンも胸熱ですぞ。
子役の演技がすごい
大人の俳優でさえ、自閉症の演技って難しいと思います。
それをこの年齢の男の子が、まったく違和感なく演じてしまっているのがすごすぎます。
視線の動きや表情、言動など、演技とは思えないほどに演じています。
自閉症の少年サイモンにとっては、命がけで守ってくれるアートでさえも「知らないオジサン」なのか…?
発達障害について私が普段から感じていることについては後述させていただきますが、この映画で最初に自閉症のサイモンを見たときは「ちょっと無理だわ…」と良くない感情を抱いてしまいました。
命がけで自分を守ろうとするアートのことも「知らないオジサン」扱いで、まともに言うことを聞こうとしません。
心を閉ざしていたサイモンにとって、結局のところアートの存在は最後まで「知らないオジサン」なのでしょうか…?
その答えをラストシーンで知ったとき、私は胸がいっぱいになって涙をこらえることができませんでした。
自閉症への理解が少し深まる
「日本はアメリカに比べ、発達障害への理解と支援が20年も遅れている。」なんてことを聞いたことがありますが、この映画を見て実際にそうかもしれないと実感しました。
この映画が公開されたのは1998年なわけですが、この映画のなかで自閉症のサイモンに対して偏見的な見方をする登場人物がひとりもいないんですよね。
サイモン暗殺を企てる敵役の人物でさえ、自閉症に対する偏見的な態度は見せません。
事件に巻き込まれてしまった一般人のお姉さんもサイモンには優しく接します。
また自閉症の子供が特定の分野ではものすごい才能を発揮するという一面も描かれています。
いっぽうの日本で「発達障害者支援法」が施行されたのは2005年です。
この映画が公開された7年後ですね。
そういった法律が施行される前にも発達障害者を支援する制度や団体はあったのかもしれませんが、国が本腰を入れて支援を始めたのって随分遅い感じがしますね。
さらに言えば、「発達障害者支援法」が施行されて10年以上経過した現在でさえ、発達障害に対する社会の理解はまだまだ浅いような気がします。
ちなみに私にはASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)の傾向が強い兄がいます。
私は兄のことを典型的なASDではないかと考えていますが、医師の診断を受けたわけではないので、あくまで傾向が強いという言い方に留めます。
で、本来は1番生きにくさを実感するはずの本人でさえ、発達障害の自覚がなく、医師の診察を受けようなんてまったく考えていないようです。
発達障害についての知識があれば「自分もそうなのではないか?」と思うことはあるでしょうし、医師の診察を受けて、その特性についての理解を深めれば、家族にとっても自分自身にとっても良い道しるべが示されると思うんですよね。
きょうだいである私としてはASDであろうとなかろうと一度は医師に診てほしいと思っています。
そうでないと兄の自分勝手な振る舞いや異常な行動に納得ができず、私のほうが心身ともに疲れ切ってしまうし、自分自身の身の安全を守るための措置をどこまで講じればいいのかも分かりません。
ちなみに私自身は「カサンドラ症候群ではないか?」という指摘を受けたことがあります。
映画の内容から逸れて自分語りになってしまったので、この話はここまでにしておきましょう。


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