普段あまり本を読まない人でも、

芥川龍之介や太宰治をはじめとした
近現代文学の代表作くらいは読んでおかないとなぁ…
なんて、ふと思うことはありますよね?
でも、
「どの作品から読んでいくべきか?」
なんて迷っているうちに
「まあ、その気になればいつでも読めるし、今はいいか…」
と読まないままになっていたりしません?
東進ハイスクールの林先生の言葉を拝借するなら
「いつ読むの?今でしょ?」
そんな状態の人におすすめしたい本が、又吉直樹さんの『夜を乗り越える』という1冊です。
「なぜ本を読まないといけないのか?」「文学の何がおもしろいんだ?」
こんな疑問にお笑い芸人であり、芥川龍之介賞受賞作家であり、読書家でもある又吉さんが答えます。
文学に触れることで本当の自分を取り戻す
自分は変ではない。あるいは、人なんてみんなどこか変な面があるのだ
『夜を乗り越える』37ページより
本を読むことによって、本と話すことによって、僕はようやく他人と、そして自分とのつき合い方を知っていったような気がします。
『夜を乗り越える』40ページより
近代文学は、こんなことを思っているのは俺だけだという気持ちを次々と砕いていってくれました
『夜を乗り越える』54ページより
周囲から期待される自分の役割を演じたり、相手に合わせて自分を偽ったり、切実な悩みなのに他人にはわかってもらえないと決めつけてひとりで抱え込んだり…
そういうのって疲れませんか?
そんな疲れた心に効くサプリメントが、読書なのかもしれません。
読書を通じて視点を増やせば、より良い答えを導き出せる
読書のおもしろいところは、主人公が自分とは違う選択をすることを経験できるところや、今まで自分が信じて疑わなかったようなことが、本の中で批判されたり否定されたりすることにあると思います。
『夜を乗り越える』116ページより
小説の中には、自分と似た考え方をする人物が登場する一方で、正反対の立場を取る人物が登場することもあるでしょう。
それに対して、「自分には共感できない」と拒絶して距離を置いてしまうのは、もったいない。
共感することも読書の楽しみのひとつですが、自分とは違う考え方に遭遇したときに「そういう考え方もあるのか!」と新しい視点を持てるようになれるのも読書の効能なのです。
脳内会議をイメージしてみてください。
ワンマン経営者が「これしかない!」という思い込みから出した答えってリスクが高いと思いませんか?
でも、イエスマンもアンチもいる状況で、どちらの立場からもGOサインが出たら自信を持つことができませんか?
文学を通じて複数の視点を持つことで、脳内会議の議論も意義あるものになるのです。
まずは又吉さんおすすめ小説から突っついてみては?
『夜を乗り越える』の中で、又吉さんの視点から近現代文学の作品がいくつか紹介されています。
どの本から読むべきかと迷っているなら、参考にしてみるといいかもしれません。
わたしも『夜を乗り越える』を読んでから、ソッコーで芥川龍之介と太宰治の小説をいくつか読みました。
読書習慣を身につけるきっかけとして、まずはこの『夜を乗り越える』を読んでみるのもいいかと思います。
本を読む意義が見つかると、読書に対するモチベーションも上がりますよ。
オマケ:本を無料で読む方法(交通費や通信費等は別。)
税金払ってるんだから図書館を使い倒す
せっかく税金を払っているのですから、図書館を利用しないのはもったいないです。
芥川や太宰の全集なら、ほぼすべての図書館に置いてあるかと思います。
青空文庫なら電子書籍が無料
著作権が消滅した作品や著作権者が許諾した作品であれば、青空文庫で無料で読めます。
電子書籍に抵抗がないなら、ぜひ利用しましょう。
青空朗読アプリもおすすめ
ワタクシ最近、朗読を聴きながらウォーキングをすることにハマっております。
おかげで心も身体も健康になっているような気がします。
ただひとつ難点として、朗読だと聞き慣れない言葉が出てきたときに意味が分からないことが…
漢字を見れば知らない言葉でも意味が想像できますが、音で聴く朗読だとどんな字を書くのかも分からないので。
まあ、そういう場合は、青空文庫で読み返してみたり、気に入った話ならば紙の本を買うのもいいかもしれませんね。



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