どーも!
ネコ派だけどイヌも好きなバーチャルブロガー、キサカ・ヒメノです。
今回は2019年5月31日にテレビ東京の午後のロードショーで放送された映画『ダニー・ザ・ドッグ』のレビューでございます。
ひとことで言うと、「心温まる格闘アクション映画」でした。
基本的にはいい映画だと思いましたが、人物設定に違和感を感じてしまう部分もあったので、少しリアリティに欠けるような気もします。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』のザックリした概要
貸金業を営むチンピラ・バートによって殺戮マシンに育て上げられた孤児の青年・ダニーが主人公のお話です。
ダニーは、まるで調教された猛犬のように主人の合図ひとつで標的に襲いかかるよう仕込まれています。
犬というよりも、意思を持たない機械みたいといったほうがいいかもしれません。
そんなダニーですが、盲目の調律師・サムとの偶然の出会いによって、やがて自我と人間らしさを取り戻していきます。
サムとその娘であるヴィクトリアとの生活の中で、人としての幸せを知っていくダニー。
しかし、ダニーを利用して金儲けをたくらむチンピラ・バートは、再び彼を狂犬として飼いならすべく、魔手を伸ばします。
はたしてダニーは人としての幸せと新しい家族を守ることができるのか…?
映画『ダニー・ザ・ドッグ』の主な登場人物
ダニー(ジェット・リー)
幼いころにバートに拾われ、完璧な殺戮マシンとして育てられる。
飼い主のバートに首輪を外されると、「パブロフの犬」のように殺戮マシンとしてのスイッチが入る。
ズバ抜けた格闘能力の持ち主だが、まともな教育を受けていないため、人としての理性や教養は持っていないように見える。
が、ある日、盲目の調律師のサムとピアノの音色に出会い、自我と人間らしさを取り戻していく。
純粋過ぎるほど純粋です。
物語の後半で、バートによって秘匿されてきたダニーの生い立ちも明らかになっていきます。
サム(モーガン・フリーマン)
心優しき盲目のピアノ調律師。
亡くなった妻の連れ子のヴィクトリアとふたりで暮らしていたが、傷だらけになったダニーを保護し、自宅に住まわせる。
ちょっとお人好し過ぎて心配だけど、それでもこういう大人っていいなと思いました。
ヴィクトリア
サムの義理の娘のJK。
音楽の勉強をしている。
めちゃくちゃイイ子。
父親の教育がいいのでしょうなぁ。
バート
貸金業を営むチンピラオヤジ。
ザ・下衆オヤジといった感じです。
映画『ダニー・ザ・ドッグ』の違和感と見どころと感想
年頃の娘がいる自宅に得体の知れない男を連れてって平気?
ダニーを保護したサムは、とんでもなく心優しいオジサマです。
どこの馬の骨とも知れないダニーを年頃の娘がいる自宅に連れて帰っちゃうくらいですから。
目の見えないサムは、心の目でダニーの純心を見抜いたということかもしれませんな。
なぜバートがダニーを最強の狂犬に育て上げることができたのか?
すでに書いたとおり、バートは闇金業者のボスなのですが、知性とかは感じられない下衆なチンピラオヤジといった感じなんですね。
側近も同じく、頭の悪そうな男です。
アジトも薄汚い廃墟のようなところです。
はたして、そんなバートにダニーを最強の戦士として育て上げる術があったのだろうか…?
これが、街を牛耳るような組織化されたマフィアのボスで、バート本人もキレ者の雰囲気を醸し出しているとかだったら、この設定にも多少のリアリティがあったかもしれないなと思いました。
で、そんなチンピラ風情のバートが、映画のクライマックスでは数十人の手下を引き連れて、ダニーを襲撃にやってくるわけです。
チンケな闇金業者のバートにそれだけの人数を動かせる力があることにも、また不自然さを感じました。
とことんクズなチンピラオヤジと心優しい父娘との対比
ダニーを狂犬に育てあげたバートはとことんクズです。
対して、心身ともに傷ついたダニーを保護したサムとヴィクトリア父娘はとことん優しいです。
そして、心を閉ざしきっていたダニーも、そんな父娘に心を開いていきます。
ダニーとサム、ヴィクトリア父娘の交流に心が温まる映画なのです。
ジェット・リーの格闘アクション
ジェット・リーが演じるダニーが、純粋かつ圧倒的に強いです。
大人数が相手だろうと、どんな強敵だろうと、命令さえ受ければ、圧倒的な強さでやっつけます。
まさに一騎当千というやつですな。
が、ただ主人公が強くて、一方的に敵を倒していくだけではつまらないという人も多いでしょうし、それだけでは映画として成立しないですよね。
サムとヴィクトリアの優しさに触れ、自我と人間らしさを取り戻していったダニーは、人を傷つけることを嫌がるようになっていきます。
しかし、自分や新しい家族を守るためには戦わなければいけません。
拳を振るえば無敵の強さを誇る…
けど、人を傷つけるようなことはもうしたくない…
暴力の世界には戻りたくない…
ダニー・ザ・ドッグは、こんな葛藤を抱えた純粋過ぎる男の物語なのであります。


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